広告会社は変われるか―マスメディア依存体質からの脱却シナリオ
2008-12-10
![]() | 広告会社は変われるか―マスメディア依存体質からの脱却シナリオ (2007/02/17) 藤原 治 商品詳細を見る |
先週、某Hの役員さんと面談した際に、面接前までに読むように推薦された本。
電通総研・前社長の著書。
「変われるか」という問いに対して自分が答えるなら、「変わらなければ生き残っていけない」
こんな事は本を読む前から感じていた事。
ただこの「変わらないとまずいよな〜」という漠然とした意識の根源にあった問題意識が、これを読んではっきりとしました。
広告を変えるメディア要因として…
・インターネット
・地上波デジタル放送
・蓄積型テレビ(全チャンネルの24時間分の番組をすべて録画できる容量を持つテレビ)
大きく以上3つが印象に残った。
特に蓄積型テレビが普及すれば、今までテレビ局にあった番組の主導権が生活者にうつる事になる。
これはつまりゴールデンタイムという概念をぶっ壊す事にも繋がります。
生活者が見たいテレビを見たいときに見るので、ゴールデン=高広告料金という構図を崩す。
本書では触れられていないけど、そもそも視聴率の意味がなくなるので、広告枠の価格設定は低次元で一元化されると考えて妥当だと思う。
テレビの媒体取引で食ってきた広告会社としては死活問題。
もっというとCMがスキップされる事も十分考えられる。
この場合、地上波=無料という構造が成立しなくなる。
スキップ機能を排除したテレビでは地上波が無料、全てのCMはスキップできるが地上波が有料のテレビ、というような2種類のテレビができるのかもしれない。
まあこういう事例に代表されるように、従来型の媒体取引主体の広告業は近い将来終わる、というのが結論。
今後の広告会社の形として筆者は…
・eプラットフォーム(テレビ、新聞、雑誌などのあらゆるメディアがインターネットを介して配信され、媒体選択権は生活者となる)の管理者
・グローバル展開(特にアジア)
の2つの選択肢を挙げている。
個人的にはどちらも凄く厳しいと思ってしまう。前者はグーグル、後者は欧米のメガエージェンシーが競合となるから。
そうなると、日本の広告会社の未来として今のところ自分が予想できるのは「生活者とのコミュニケーション戦略に特化したブランドコンサル」かな。これには役員さんにも同意して頂きました。
コミッションではなく、フィー制でクライントから契約する例が増えているのもこういった意識のようです。
ただし、その道を選ぶ場合、それはかなりドメスティックなチョイスになりそうだと本書から感じた。
もちろん銀行ばりの業界再編は不可避。
先行きはなかなか波乱に満ちていそうです。
まあ、それが楽しみなんだけど。
自分が目指す道の未来を考える上で、ひとつ面白い意見を頂けたかな。
某Hインターン組の皆は読んでも損はないと思います。
他に参考になった点を列挙。
・日本の広告代理店は民法上の代理(代理の法律効果が被代理人に及ぶ)に当たらない→法的主体であり自己商、特に情報商社だ!
・世界で最も宣伝広告費を使っている企業はP&G。
前者は若干無茶な気がしないでもないですが、法学部の自分としては興味深かった。


