BOPとCareer
2009-08-23
おそらく今回のプログラムで一番深く考えた問題について。ある日調査を終えて戻ると、農村調査地での宿舎を共にしていたチームが皆でなにやら話し合っていた。
この日の調査で彼らはBeggar(乞食)にインタビューをしたらしい。
対象者は老婆だが、非常に明るい女性でインタビューにも明るく受け答えをして笑いをとっていたそうな。
そんな女性に彼らが常に聞いていたとされる最後の質問、「あなたの人生楽しいですか?」という質問に対して、彼女はこう答えたそう。
「私は夫も子供も居ないから、後は死んでいくだけだけれど、私は楽しく生きるよ」と。
この話にチーム全員がショックを受けていたのだ。
…。
正直、自分にはない感覚だった。

実はこの日より前に、自分達のチームもBeggarにインタビューをしていました。
彼は両目を失明しており働けず、9歳の娘をダッカに召使いとして送り出すしかなかった人。
状況的には、前述の女性と同等か、むしろそれ以上に悲惨な状況を目の当たりにしたと思う。
それでも自分は、彼の話を聞きながら、それでも胸に響くものを感じる事ができず、多くのインタビューの中の一つという認識しか得ていなかった。
自分と彼の間には、見えない膜が張っているような感覚で…。
なぜ他のチームに人に感じられたものが、自分には感じられなかったのだろうか?
それを考えていた。
自分は世界的に見ても圧倒的に恵まれた人間。
親のおかげで教育も何もかも全てを与えられてきた。
そんな自分に彼らの気持ちなんか分かるはずもない。
自分にはどうしようもない、そんな諦め。
彼を助けたいと思わなかった自分。
自分は本当の意味でBOPの側にたって貧困解決に人生を捧げるモチベーションはない。
先進国に生まれたゆえの責任感、もっというと税金的な義務感覚でしかないのかもしれない。
貧困解決とかいうとかっこいいけど、そういう事を言ってる自分が好きとかその域を現時点では出ていないことに気付きました。
こんな事を書いてしまうと見も蓋もないんやけど。
とはいえ。
市場としてのBOPには興味がある。
彼らが搾取の対象とされていようが、パートナーであろうが、自分のアクションが自分の利益に繋がり、そして彼らにとって何らかの利益になるのであれば、それで自分は満足できる。
自分の利益とエゴを追求した結果、他の誰かの利益にもなる仕事。
その他の誰かがBOPであれば、自分的にかっこいい自分であり続けられる気がします。
自分は自分が思う以上に自己中心的で、BOPとか貧困とか、そんなのは今の段階では2次的な外発モチベーションに過ぎない。
働く前に、かっこつけずにこれに気付いてよかった。
自分は自分のやり方でやればいい。
BOPがラグジュアリーブランドのプロバイダーになり、富裕層がBOP発のブランドやサービスに群がる。
そうなれば、自分は満足できるし、今よりおもろーな世界になる気がする。
自分がしたい事に全力で取り組む。
BOPという自分のテーマを考えた時、現在の内定先を選んだ自分のチョイスに正直迷いが生じる時期がありました。
BOPをターゲットとして取り組む志向を感じる企業ではないですし。
別に日本で化粧品を大量に売ることが、何に繋がるのか明確には見えてこない。
けど、それって言い訳でしかなくて。
全ては自分のやり方次第。
日本の生活者は世界的に見れば現時点では富裕層なわけで、そこの購買プロセスを理解すること。
それは間違いなく夢につながる。
同時に、現在ターゲットとして開拓・確立されていないマーケットにおいて、結果を出す。
どこに配属になっても、化粧品業界は男性化粧品やチャネルの再編も含めて、色々と転換期にあると思うし。
いずれは市場創出のスペシャリストとして、BOPを相手にできるようなそのときの新興国に飛び込みたい。
やっぱり肌で感じないと、プロバイダーだろうが何だろうが対象を巻き込めない。
BOPを顧客にするかどうかは、まだ分からないけど、キャリアを差別化する意味でも経験しておいて損はないものだと思うし。
ここまでが自分の内定先での目標になった。
富裕層とBOPのそれぞれを知る。
そしてそこの経済的ギャップを使いながら、自分は稼ぐ。
願うなら、その収益の多くがBOP側に流れるような構造を。
なぜならそれが自分定義でかっこいいから。
それだけ。
ただ単に頑張るというだけでなく。
頑張る方向性というか、力の入れどころがほんのり見えた気がする。
自信を持って働けるし、早く働きたいなと思います。

